Vol.1…「時には自分を褒めてみて。」
今回のお悩み…
年を重ね、社会経験を積むことで、自分を表に出せなくなってきています。相手のことを考えられるようになったという反面、内に溜め込んでる気もするのです。このもやもやを解消したいのですが…。(40代・女性)

自分を守りながらも、自分に嘘をついている!?
人は様々な経験を通して学習し、
「こうあるべき」
「こうするべき」
「こうしなくてはならない」
といった自分独自の考え方『自己概念』を形成していきます。それは、理性や常識として確立し、社会に適応していく手段にもなり得ます。しかし自己概念に執着し過ぎると、その考えに押しつぶされ、ストレスを感じることも少なくありません。
いただいたご相談には、社会経験を積むことで「自分の考えを表に出せなくなってきた」とあり、さらに「内に溜め込んでいるのかも…」とも書かれてありました。おそらくご自身のなかに「相手のことを優先すべき」といった考えが強調されており、一方では「本当にこれで良いの?」といった自己への葛藤、矛盾が生じていることが予測されます。これがストレスになっていることは十分考えられますね。
今大切なことは、自分自身と向き合い内面の声を聴くことです。あなたは自己主張することで、何かが変わることを恐れていますか?
逆に、自分を表に出さないことで安心を得られることは何でしょうか?
人の行動には、必ず『理由』が存在します。
人は誰でも、多かれ少なかれ、他者から「 認められたい」「評価されたい」という欲求をもつ生き物です。あなたは自ら主張することで、他者から嫌われることや否定されること、あるいは人との関係が崩れるのを不安に感じているのでしょう。「自らの気持ちを抑える行動」は、周囲との安定を図り、トラブルに発展するのを防ぎ、無自覚的にも自分を守る手段となっていたのです。しかし、もやもやした気持ちが生じたまま積み重なってしまうと、本来の自分を失ってしまいますね。

もっと自分を認めてあげること。
人との関係の中で少しギクシャクしたとしても、
「こんな状況でもしっかり立っていられる自分は凄い!」
「意見を言えた自分は凄い!」
「人に認められなくても恐れない自分は凄い!」
…と自分自身を褒めてあげてください。
自分を褒める習慣を身につけることで、次第にあなたの行動は変わり、自分らしさをとり戻し、楽な自分でいることができます。
新しい自分との出会いを、是非、始めて下さい。
答えていただいたドクター
水木 さとみ 先生
医学博士・心理カウンセラー(株)エム・エイチ・アイ代表
YODE Dental Center顧問(上海)
1991年アメリカ合衆国に1年半滞在、
帰国後、各種心理療法修得
1996年より大学病院にてカウンセリングを実践
