シリーズ2・「人間のサビは、美しくない。」酸化のイメージが変わる!

③酸化反応の副産物「活性酸素」

酸化反応により、生体に必要なエネルギーが生まれるのと同時に発生するのが「活性酸素」です。
活性酸素というと、「体に悪い」という嫌なイメージをお持ちの方も多いでしょう。
ところが本当は体に有害なものではなく、逆に体を守るために必要な働きもあるのです。

活性酸素は細胞内で発生します。
酸素は、体内に入り細胞内のエネルギー工場である「ミトコンドリア」に取り込まれ、
「酸化反応」により栄養素をエネルギーに変えていくのです。
こうして、たんぱく質やコラーゲンの生成、筋肉運動のために必要なエネルギーを生み出します。
この時、活性酸素も発生します。
健康体なら、活性酸素は本来あるべき場所にとどまり、過剰な活性酸素は除去されます。
また、体内に正しく分布すれば、外から入ってくる細菌やウイルスをやっつけ、
我々の体を傷つける事もないのです。

図・ミトコンドリアでの活性酸素発生のしくみ

◀体内の細胞内にあるミトコンドリアはエネルギーの「工場」になっている。本来、体を守るために働くはずの活性酸素は「工場」内であれば良い活性酸素でいるが、「工場」からはみ出すと悪い活性酸素に変わってしまう。


活性酸素が細胞からあふれ出し、 過酸化物を生成するメカニズムについては、 まだ解明されていない。 しかし加齢が体内酸化に関与しているという学説を支持する実験として、年代別に生体内の過酸化物存在量を調べた実験がある。 この報告では、高齢者ほど過酸化物の濃度が高くなるという結果が出た。 この実験から、加齢とともに過剰な活性酸素が増加していくことがわかり、 酸化と老化の関係を考える際に、 多くの学者が参考にしている。