シリーズ1・「なぜシミができたか」がわかれば、ぴったりの改善策が見つけられる

⑤シミの種類と範囲で治療法は全く異なる

日本人に一番多くみられるシミは、紫外線による光老化とともに現れる老人性色素斑(日光黒子)ですが、その他にもシミは色や場所などによってさまざまな種類に分けることができます。
30〜40代の女性に比較的多くみられる肝斑は、頬・額・口の周辺などに左右対称に現れることが多い薄茶色をしたシミです。肝斑ができる原因はまだ明らかになっていませんが、妊娠・出産やピル服用を機に発症することがあり、閉経後は薄くなることが多いため、女性ホルモンが大きく関与していると考えられています。
この他、遺伝により5〜6才頃から鼻周りや頬などに褐色の小さい点ができるソバカスや、擦り傷、
かぶれなどが炎症を起こし、シミとして残ってしまった炎症性色素沈着、青色からやや褐色をした太田母斑なども一般的にはシミの一種とされています。
シミは、そのまま放置しておくと次第に色素が濃くなるだけでなく、大きくなる可能性もあるため、早めに治療するのが賢明です。
ただしシミは種類によって、治療法が異なることがあるため、自分のシミのタイプを把握し、適切な治療を行うことが必要です。老人性色素斑と肝斑は混在していることも多く、それぞれ治療法が異なるため、判断を誤ると症状を悪化させる可能性もあるので注意が必要です。
さらに、シミだと思っていたら皮膚がんなど別の病気であった例もまれにあります。もし、シミなどの症状が気になったら、自己判断をせずに一度専門医に相談してみましょう。

【ケミカルピーリング】
グリコール酸・乳酸(AHA)やサリチル酸などの薬剤を塗り、古い角質を取り除く治療法。シミやくすみ、ニキビなどに効果が認められている。

【イオン導入】 皮膚表面のイオンバランスをコントロールし、ビタミンA・C誘導体など、美白に有効な成分を効率よく真皮層にまで浸透させる治療法。

【レーザー治療】
皮膚へのダメージを最小限に抑えつつ、医療用レーザーを当て、メラニン色素を破壊する治療法。一部のシミは適応外。